研究テーマ

集中系モデルによるパラメトリックスピーカーの波動解析

Fig.1 パラメトリックアレイ

Fig.2 集中系モデルを用いた解析結果の例

音とは空気の圧力変動(振動)であり,人間の耳で聞き取ることができる振動数(可聴域)はおよそ20Hz~20kHzです. これよりも高い振動数の音波を「超音波」といい,人間の耳では聞き取ることができません. また,音の直進性(指向性)は振動数によって異なり,高い音ほど真っ直ぐ伝わりやすく,低い音は回り込みやすい特徴があります.

パラメトリックスピーカー(PAL,Parametric Array Laudspeaker)とは,複数個の超音波トランスデューサを平面的に並べたスピーカーで,鋭い指向性を特徴とします. 超音波は人間には聞こえませんが,AMラジオやFMラジオが音を変調して電波として送信し受信機で復調するように, 可聴音を振幅変調(AM)や周波数変調(FM)した超音波を発生させると,特別な装置を必要とせずに流体力学的な非線形性によって伝達中にる復調し, 超音波の進行方向に可聴音が発生します.

この研究テーマでは,パラメトリックスピーカーを用いたオーディオスポット形成の解析を目的として, 集中系モデルによる解析手法の提案や実験による解析結果の検証など基礎的な研究を行っています.