国立大学法人鹿児島大学 工学部 先進工学科 機械工学プログラムMechanical Engineering Program, Kagoshima University

松﨑研究室

機械には様々な振動が発生します。しかも、振動は機械の安全性・快適性・高効率化などにとって有害な場合がほとんどです。このような振動現象の発生メカニズムをできるだけシンプルな力学モデルを用いて解明することと、それに基づいて振動現象の根本的な防止対策を検討することを目標として、自励振動や非線形振動など機械における振動現象について研究を行っています。また、振動の有効利用や機械力学の視点から考えた運動制御・振動制御についての研究も行っています。

研究テーマの紹介

主な研究テーマには次のようなものがあります。

・パターン形成現象の発生メカニズムと防止対策
 接触回転するロール形状のものが多角形化する現象や加工穴が多角形化する現象の発生メカニズムや防止対策について研究しています。最近では主にBTA深穴加工のライフリングマーク発生現象を中心に研究を行っており、企業との共同研究を進めています。
・自動車用ATの振動現象に関する研究
 自動車用オートマチックトランスミッションには、エンジン出力のトルク変動によるねじり振動が発生します。このねじり振動を低減するための方法について、企業との共同研究を進めています。
・部分空間制御法とその応用
 モード解析に基づく低次元化を利用した制御手法を提案し、多重倒立振子などの制御に適用することで、制御法の有効性を検証しています。
・自励振動を利用した受動型動的二足歩行
 アクチュエータを使用せずに、わずかに傾斜した坂道での歩行を実現する受動型動的二足歩行についての研究です。この現象は一種の自励振動現象であり、数値解析と実験によって検討を行っていきます。
・大規模非線形系の合理的な低次元化手法
 ガタや摩擦などの非線形要素を含み大規模振動系を高速・高精度に解析するための低次元化手法について検討しています。

詳しい内容はここ↓をご覧ください。

担当教員

松﨑 健一郎 教授

所属機械システム工学コース
松﨑研究室(機械工学1号棟3階)
専門分野機械力学、機械振動学
学位博士(工学)(1995年)
主な研究時間遅れを伴うパターン形成現象、自動車用ATの振動現象、部分空間制御法、非線形振動の解析手法、自励振動を利用した受動型動的二足歩行。
所属学会日本機械学会、日本ロボット学会、自動車技術会
電話・FAX099-285-8266
E-mailmatsuzaki@mech.kagoshima-u.ac.jp
※@を半角に直してください
(このメールアドレスへの特定電子メールの送信を拒否いたします)
URLhttp://www.mech.kagoshima-u.ac.jp/~matsuzaki/

主要論文・著

  1. Takahiro Ryu, Kenichiro Matsuzaki, Takashi Nakae, Atsuo Sueoka, Yoshihiro Takikawa, Yoichi Ooi, Daisuke Nakagoshi, Yuichiro Hirai: A Study on Shudder in Automatic Transmission Lock-up Clutch Systems and Its Countermeasures, SAE 2011 Noise and Vibration Conference and Exhibition (2011年5月), Paper No. 2011-01-1509
  2. 松崎健一郎,末岡淳男,劉孝宏,森田英俊:BTA深穴加工におけるライフリングマーク発生現象の防止対策,日本機械学会論文集(C編),第76巻第767号(2010年7月),pp.1684-1691
  3. 松崎健一郎,末岡淳男,劉孝宏,森田英俊:BTA深穴加工におけるライフリングマーク発生現象に関する基礎的研究,日本機械学会論文集(C編),第75巻第755号(2009年7月),pp.1918-1925
  4. 石川 諭,近藤孝広,松崎健一郎:集中系モデルによる非線形圧力波の解析(第1報, 解析モデルの提案とその妥当性の検証),日本機械学会論文集(C編),第75巻第753号(2009年5月),pp.1436-1443
  5. 松崎健一郎,近藤孝広,宗和伸行,潮田貴之,篠崎 淳,園部元康:部分空間制御法を用いた2リンクフレキシブルマニピュレータのCP制御,日本機械学会論文集(C編),第75巻第753号(2009年5月),pp.1397-1404
  6. 近藤孝広,松崎健一郎,宗和伸行,佐々木卓実:大規模非線形系に対する高性能振動解析手法の開発(非線形支持された直線状はり構造物の曲げ振動への適用),日本機械学会論文集(C編),第74巻第747号(2008年11月),pp.2626-2633
  7. 園部元康,松崎健一郎,近藤孝広,宗和伸行:モード解析に基づく部分空間制御法に関する研究(第2報, 非線形共振を利用した並列二重倒立振子の振り上げ制御),日本機械学会論文集(C編),第74巻第745号(2008年9月),pp.2198-2205
  8. Kenichiro MATSUZAKI, Atsuo SUEOKA, Takahiro RYU, Hidetoshi MORITA: Generation Mechanism of Polygonal Wear of Work Rolls in a Hot Leveler and a Counter Measure by Dynamic Absorbers, International Journal of Machine Tools and Manufacture, Vol.48, No.9(2008年7月), pp.983-993
  9. 園部元康,近藤孝広,宗和伸行,松崎健一郎:モード解析に基づく部分空間制御法に関する研究(第1報,倒立振子の振り上げ制御への適用),日本機械学会論文集(C編),第73巻第726号(2007年2月),pp.414-421
  10. 劉 孝宏,松崎健一郎,末岡淳男,森田英俊:薄帯巻き取り機におけるパターン形成現象の動吸振器による防止対策,日本機械学会論文集(C編),第73巻第725号(2007年1月),pp.98-106

学術賞

発明・特許

  1. 深穴加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法、特許第4951788号(2012年3月23日)

その他